◯石灰石のもとは、暖かい海に生きるサンゴです。サンゴは成長しながら海中の二酸化炭素をからだにとりこみ、石灰質のカラを造ります。サンゴのカラが積もり積もって巨大になったのが、サンゴ礁です。

南海の環礁
・暖かい海で育つサンゴ
・原料のサンゴや貝のかけら

◯南の海のサンゴ礁が太平洋プレートに乗って移動し、日本海溝に沈むことなく押し上げられ、 日本各地の石灰鉱床を生成したといわれています。
何億年もの時間をかけて、石灰石は造られてきました。
石灰は海外資源に頼ることなく、国内で自給できる数少ない資源のひとつで、日本には石灰のとれる地域が点在しています。

・秋吉台のカルスト台地
・地球の動きによって石灰石は造られる。

◯もう一つの生成は、温泉水などに含まれる炭酸カルシウムそのものが化学的に沈殿したもので、 世界的に有名なトルコのヒエラポリス・パムッカレはこの沈殿した炭酸カルシウムで出来ています。
そして彫刻や建築材料として使われる「大理石」も石灰岩が熱により結晶化したものです。

・大理石の彫刻
・建築物に使われる大理石
・トルコのヒエラポリスパムッカレ

◯石灰石の中にはドロマイトと呼ばれる成分の異なった鉱物があります。 ドロマイトの作られ方はほとんど石灰石と一緒なのですが、石灰石の中のカルシウムがマグネシウムに置き換ってドロマイトになりました。

・石灰石
・ドロマイト
・マグネサイト

◯石灰は、海外資源に頼ることなく国内で自給できる数少ない資源のひとつで、日本には石灰のとれる地域が点在しています。
鉱床
栃木の石灰石、ドロマイト鉱床は、古生代二畳紀(今から約2.5億年前)の頃、大陸棚と呼ばれる海底の凹地に紡錘虫(フズリナ)類・サンゴ虫類等の海棲動物の遺骸が沈積したり、海水中のカルシウム分が有機物の腐敗によって生じたアンモニアと化学反応を起こし、炭酸石灰となって沈積し、固化し、岩石化し生成したものであるといわれています。
 栃木県内で、現在採掘が行われているのは葛生・鍋山地方に分布している鉱床です。鉱床は大別して3層からなり、上部石灰石層ードロマイト層ー下部石灰石層が重なり合って、延長30kmにわたり馬蹄形に分布しています。鉱床の厚さは約350mあり、推定埋蔵量は約203,000万トンと計算されています。