・制作方法 2
次に、当協会会館のの正面玄関に描かれている「葛の葉」を元にズグラフィート法についてご説明致します。
●ズグラフィート法
「引っかく」というイタリア語からつけられた技法で、2層以上漆喰を重ねて塗り、
上の層を掻き落として下の色を出し絵を描いていく方法です。ギリシャの壷絵にも使われている方法です。
・1、下地を調整する
当初当館はタイル張りの壁でした。
そのタイルを剥し、下地を調整します。
ボンフレスコ法と同様に実寸の下絵を作ります。
・2、壁作り-1
石灰モルタルを塗りその上に白漆喰を塗ります。
・3、壁作り-2
白漆喰の上に紫色(絵の色となる)の色漆喰を塗ります。
・4、壁作り-3
色漆喰の上にもう一度白漆喰を塗ります。この段階で「白・紫・白」という漆喰のサンドイッチになっています。
・5、転写・描画
漆喰が完全に乾ききらないうちに下絵を写します。先の尖った物で表面の漆喰を削り落とし下の色漆喰を出し絵を作成します。
・6、描画
削ると下に塗った紫色の漆喰が表れ、見事な「葛の葉」が浮かび上がって来ます。